第14回県商工労働局幹部の皆さんとの懇談会 人材問題を意見交換
政策委員会(佐藤清子委員長)は8月29日、14回目となる県商工労働局との懇談会を開催しました。同友会から立石克昭代表理事、県から佐伯安史商工労働局長が懇談会への期待を込めて挨拶し、始まりました。
最初に、会員の皆さんからご回答いただいた経営環境アンケートを報告した後、初めて広島県の中小企業施策への提案(下記参照)を行いました。人材確保難が大きな経営問題となっていることから、人の問題に関する3つの提案で、中長期の観点で中小企業の正確な認識を啓もうし、広島県への人材定着をはかろうというねらいです。
次に二人が事例報告をしました。EVENTOSの川中英章氏(求人社員教育委員長)は自社と同友会の採用活動や定着・育成の実態を紹介し、「若者に人生をかけて仕事をすることの大切さなど、正しい仕事観の醸成を行政の皆さんにお願いしたい」と要望しました。
広島精機の柳原邦典氏は、製造業として時代の変化に対応してきた歴史を振り返りながら、「将来に向けて頑張る企業の後押しをしてもらいたい。特に、経営者の意識の転換を促すような啓もう活動を行っていただきたい」と話しました。
続いて「広島県をどう活性化するか~中小企業の役割とその期待」をテーマにグループ討論。最後に、瀬島高志副代表理事が「企業価値をもっと高めていきたい。中小企業としての自覚と誇りを担保するためにも条例が必要。中小企業の正確な情報を県民や父兄に伝えるよう努力しよう」とまとめました。
懇親会では海田智浩産業労働部長が乾杯、感想を言い合いながら交流しました。
====================
ご出席の幹部の皆さん
敬称略
役職 名前
商工労働局長 佐伯 安史
産業労働部長 海田 智浩
イノベーション推進部長 上丸 敦仁
海外展開・投資誘致部長 川口 一成
ブランド推進部長 岡村 清
職業能力開発課長 井本昌一郎
産業人材課長 蔵田 秀和
医工連携推進プロジェクト・チーム担当課長 井上 太郎
経営革新課長 松岡 弘道
県内投資促進課長 和田 徹
====================
広島県の中小企業施策への提案
県内中小企業を取り巻く経営環境はやや改善の傾向もでておりますが、水面下で頑張っている企業も多く、依然厳しい状況です。とりわけ雇用問題(特に採用の問題)は中小企業にとって大きな経営課題となっております。もちろん、魅力ある企業づくり(働き方改革)など、中小企業の自主的努力で解決すべきものは努力してまいりますが、地域全体で考えていただきたいこともあります。
特に、地域で手間もお金もかけて育った人材が県外へ流出していく問題は、心痛い問題で、何とか避けていきたいと考えます。そこで、いくつか提案させていただきますので、ご検討をお願いいたします。
提案1 奨学金を受けて勉学した学生の奨学金の償還について、中小企業で就業した学生については、特段の 便宜を図る措置を講じていただくことを提案します。(兵庫県などに事例があります)
提案2 中小企業の雇用の問題は社会的問題でもあり、中長期で考える必要があると思います。そこで、次の 三点を提案します。
①健全な労働観や地域社会観を育成する機会の一つとして、中小企業での職場体験・インターンシッ プを小学校・中学校・高等学校・大学の授業の一環に組み込んでいただくこと。
②大学生・専門学校生などのインターンシップ制度の実施にあたっては、企業の採用活動と切り離 し、学生が働く意味や生き方を学ぶ機会となるような教育理念のもとで行うよう指導していただく こと。
③中小企業の正確な認識がはかれるように、学校教育等では中小企業の最新の実態に基づいた正確な 姿を教えていただくこと。その一環として、中小企業経営者を授業の講師とし、また、教師の中小 企業での研修を積極的に計画していただくこと。
提案3 弊会では障害者問題委員会で、障害のある方々の中小企業への就労等に微力ながら取り組んでおりま すが、中小企業での障害者の雇用は高いと推察されます。その実態を正確につかむために、法定雇用 率適用外の49人以下の中小企業における、障害者の雇用の状況を毎年調査し、公表していただくこ と。