同友ひろしま8月20日号~経営指針塾を開講
ひろしま経営指針塾 第1講
「経営指針の実践で、社長も社員も会社も変わる!」
報告者 ㈱ラックス 代表取締役 山田 哲矢 氏(福山支部)
ひろしま経営指針塾スタート
今期からリニューアルした経営指針セミナー、「ひろしま経営指針塾」がスタートしました。2016年末に発刊された『経営指針成文化と実践の手引き』をメインテキストに全9講で経営指針の成文化・見直しに取り組みます。今回は第1講の報告要旨をご紹介します。
創業から~危機と学び~
私は1991年1月、21歳で実家の一角で創業し、今年で26年目を迎えました。
現在は不動産業等の仕事もしていますが、強みは防水工事と外壁改修工事です。
同友会入会は、1994年、24歳の時。96年に経営理念を作りました。
そして1年間の売上目標を1ヶ月に落とし込んだ経営計画を作成しました。ぐっと売上が上がり目標達成して満足してしまいました。
その後、2003年、2007七年と売上がガクンと落ち込みました。私は腹をくくり、公共工事から民間へ、下請から元請へと変わろうと決意。元請へシフトするために宅建業の資格を取り、不動産業も始めました。しかし成果が出ません。
そこで事業発展計画書を作りました。同じ福山支部の㈱オーザック 岡崎さんのパクリです(笑)。
PDだけではダメ!
世界最大で最古の組織は、ローマカトリック教会。理由はバイブルがあったから。
会社のバイブルは経営指針書です。これがあればいい組織:会社になるはずなのですが、できていない。私が気づいたことは、PDCAサイクルと言いながら、PD(計画と実行)だけして、CA(分析と再実行)をやっていなかった。
私は経営の前半は、全く環境を考えていませんでした。うまくいかなくなるのは当然。
早速「事業発展計画書」でもわが社を取り巻く環境分析の項で整理しました。
接点を多くして共有する
わが社では、朝礼や会議の冒頭で、経営理念や社員心得を唱和しています。
また、毎週月曜日に「山田週報」というメルマガを社内に発信。感じたことや読んだ本を紹介する等して社長が考えていることを伝えています。「社長、あの本読みましたよ」と言ってくれる人もいます。そして給与明細は一筆書いて手渡し。いずれも経営者のビジョンや思いが社員に伝わるように、と考えました。
経営指針を作るだけでなく、いかに社員と接点を作るか、コミュニケーションを取るかが大事です。社員をパートナーと思えばこそ、です。
ティッピング・ポイントを超える
「ティッピング・ポイント」という本におもしろいことが書いてあります。ティッピング・ポイントとは、感染の臨界点、伝染病が大流行するきっかけとなった変化などを指しています。この本では、劇的な感染が起こるには、感染を広げる少数者の法則、粘りの要素、背景の力が上げられています。
少数者の法則、中小企業にぴったりです。社内の経営指針の共有は、例えは悪いが、病原菌の伝染と同じ(笑)。経営者が粘り強く伝えていくことである時から社内が爆発的に感染する。自社ブランドの展開にしても同様です。
社長と経営者の違い
社長は、会社を興せば誰でも社長です。しかし、経営者は経営を知る者、学ぶ者だと思います。同友会は経営を知りたい・学びたい人が集まる経営者の会です。社長は社訓を出しますが、経営者は経営理念・指針を発信します。
「ガッツリチャーハン」で
同友会との関わり方は「ガッツリチャーハン」でいきましょう。勉強もチャーハンを食べるときの勢いで一粒もこぼすな!残すな!です。
経営指針は作ってからが始まりです。私も初めは社長一人で作り、今よりもずっと薄いものでした。そこから、何度も見直して、社員と共有できるよう工夫して今の形にたどり着きました。
経営者がリーダーシップを発揮して経営指針を実践し、社員が展望の持てるよい会社づくりに取り組みましょう。
㈱ラックス 会社概要
創立:1991年/資本金:3000万円/社員数:16名/事業概要:建物を美しく再生する改修専門会社
㈱ラックス経営理念
社員幸福
自分と家族を第一に考えよう
社会貢献
世のため人のためになる事をしよう
顧客感動
お客様を満足、感動させよう
理想追求
常に夢を追いかけよう