「やりがいづくりの人情経営」 広島西支部佐伯地区会
佐伯地区会7月の報告者は 宮原産業㈱の宮原正典社長。現佐伯地区会地区会長として、2年目を迎えるにあたり、地区例会のあり方としてもっと報告者が気軽に悩みを相談できるような例会作りも目指したいと、自ら率先して、あえて、苦しかった昨年の出来事を赤裸々に語って頂きました。
共同代表者であるお父様が入院されたことから、借り入れの保証人がサインできない事態となり、もしも代表者が意識のない状態になってしまった時のことを考える機会となりました。
また、そのことから宮原社長も、会社運営を社員と話し合ってすすめる体制へ変え、幹部には会社に参画している意識が生まれ、集団指導体制へ移行しつつあるとのことです。
また、売上の20%近くを占める取引先ではあるが、利益がほとんどとれない我儘な大口顧客との取引に悩まされ、顧客との取引解消をしたのもこの時期で、この問題も長引き内容証明の送付に至って、なんとか取引解消できたのも同じ時期であり、担当者がその大口顧客へ転職し、印刷部門では社員同士の揉め事もありベテラン経理社員の退職、そしてその後任の方が亡くなるなど、次から次に問題がほぼ同時期に発生して、本当に大変だっただろうと想像できます。
いろんな問題が発生する中、宮原社長が今回の例会で相談したかったことは中小企業の雇用とは利益追求だけでいいのかという点でした。宮原社長の会社で社歴は長いけれど、能力的に少し劣り、他の若手社員からも配置転換や辞めさせてはと言われながらも、他の社員を諭し定年まで勤めてもらったという事例を紹介して頂いたのですが、宮原社長は、中小企業の社長として、「採用した以上多少問題があっても能力がないから切り捨てることはしない。そういう働き手の受け皿の役目もあるのではないか、これはありかなしか」という問題提起をして頂きました。
それも踏まえてグループ討論では、その立場に置かれたらどう対応するか、なぜそう考えたかを討論しました。それぞれのグループで討論する事案は違いましたが、時間いっぱい、熱く討論できたと思います。意見としては、少しやさしすぎるとか、能力的に劣る社員であっても配置を換えたり、作業効率があがるよう指導することが必要などの意見がでました。
また、もう少し成功事例も取り入れてほしいとの意見もありました。
今回の例会では、宮原社長から昨年おこった悪い出来事を話して頂いたのですが、最近事業を起こされた新しい会員さんも、そんなに成功事例はまだないけれど悩みは必ずあるはずです。佐伯地区会の例会の1つの方向として、“格好よくなくていいから例会で悩みを打ち明ける・相談できる例会作り”の第一歩としてとても意義のある例会だったと思います。