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2017.05.23

東広島支部第25回定時総会 記念講演〉 役を生かした経営の実践 ~田中社長の人心把握術~

●全国制覇の夢

 わが社は、広島から関西間の輸送を手掛けています。温度管理車による冷凍食品、ウイング車輌での自動車部品の輸送を行っています。社員数は19名。売上高は約2億4千万円(2016年度)です。エコドライブの再確認や、ドライブテクニックの共有等、社内講習を欠かしません。
 創業は01年。06年に法人化しました。現専務(妻)と二人で始めたから「ツインズ」です。
 同友会には03年に入会しました。今年4月15日には、わが社初となる経営指針の発表会を、取引先や金融機関、同友会の仲間を招いて行いました。
 全社一丸となり、夢に向かって進んでいる途中です。
 
●何かおかしい

 わが社の経営理念は「一、お客様に愛され、信頼される良い会社。二、社員一人一人の幸福と夢を実現させる会社を皆で創る」です。
 経営理念の二番目は、経営指針の発表会にあたり、社員が付け加えました。
 私が経営者として大事にしていることは「よく遊び、よく仕事をすること、社員を守ることと、うそをつかないこと」です。
 創業から5年間、資金面では大変苦労しました。しかし、「やれるもんならやってみい」という前職の社長の言葉が反骨心となって乗り越えてきました。
 ちょうどそのころ、趣味のゴルフで知り合った岸工業㈱の岸氏(故人)の後押しもあり、同友会に入会しました。勧められてすぐ経営指針成文化セミナーに参加しますが、肌に合わず9年間同友会から足が遠のきました。
 12年頃です。「何かおかしい」。会社で仕事もしないで寝ている自分に気が付きました。だけど何がおかしいか分かりません。
 ヒントが見つけられるかもしれないと、同友会に足が向くようになりました。当時は企画委員でしたが、ありとあらゆる行事に参加しました。気が付くといろんな役が回ってきました。
 
●納得するまで教えてもらう

 同友会で知り合った経営者にたくさんアドバイスをもらっています。
 「高校生の採用」に挑戦したときです。同友会の仲間に相談すると「トイレが水洗でないと来ないよ」、と言われました。すぐにトイレを変えると、女性社員から「会社でトイレにいける」と言われました。水洗トイレなんて必要ないと思っていましたが、うれしそうに言う社員を見て、うれしくなりました。
 経営指針の成文化は一六年から取り組みました。当初は作り方が分かりませんでした。加えていろんな人から「1人で作るな」と言われました。
 そこで、社員を連れて、日鐵鋼業㈱の能登氏(福山支部)を訪問しました。社員も私も納得できるまで教えてもらいました。

●成果はゆっくりついてくる

 日鐵鋼業の経営指針を参考に、毎月定例の社内会議を始めました。
 最初は私一人が話して終わっていました。それをやめ、社員に任せることにしました。議事録を見ると会社の話はありません。遊びの話が尽きると、会社のことを話合っていました。私は口を出さず我慢して、半年かかりました。
 そして4月15日を迎えました。成果は、社員が「来年の準備を始めた」ことです。メモをとる姿を見て私の背筋が伸びました。
 私自身、来年に向け成長するしかありません。前期は売上が下がったのに利益は上がりました。会社の土台固は四年前から始めていましたが、ゆっくり成果はついてくるのだと実感しています。
 会社の変化でもう1つは、専務です。㈱タテイシ広美社の立石氏(福山支部)にわが社の経営指針発表会であいさつしていただきました。その話を聞き、同友会のことを少し理解してくれたようです。その内、社員や専務を連れて勉強会に参加できる日がくるかもしれません。
 目標達成に向けて、ギアを一速から二速へ。取り組みを継続していきます。