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2017.05.23

2017役員オリエンテーション 第6講 「同友会らしい役員とは ~同友会運動発展のために」

  入会当時の我が社は、社員10名そこそこの“町工場”で、工場は乱雑で通路もなく、社員の制服もありません。当時は社員のことを「敵」くらいに思っていました。入会して27年、役員を引き受けて17年、現在はどうか。売上は約4倍の15億2千万円、社員数は約4倍の43名。一昨年は、3S活動の取組で表彰され、ある書籍では激変の事例として取り上げられました。

 社員は「パートナー」であり、改善改革の知恵袋だと思っています。この変化に裏にあるのは、同友会の学びがあったからです。
 
同友会の学び

 最大の特徴は、2つあると思います。①“ボスをつくらない”こと。会員同士は対等であり、運営は指示命令ではなく、協議の上でやってもらう人にやる気になってもらう。時間はかかりますが、成果は大きく、自社に大いに役立ちました。②連帯(仲間意識)。経営指針の活用の仕方や方針の立て方など包み隠さず「そんなことまで?」と教えてくれることです。
 それを踏まえて、役員としての会に対する役割は、①担当部署を活性化させること、②事務局との連携、③仲間を増やす、④地区会に参加すること、です。自社においては、会がすすめることを素直に会社で実践することです。
 
自社での実践

 2002年に、丸山先生のセミナーに参加して、経営指針を成文化しました。社内で発表したのですが、不穏な空気となり、机の引き出しにしまいこみました。4年後、支部例会を担当する企画委員長という役を受けた時のことです。一念発起して、経営指針づくりに再チャレンジしました。理念には、本当にそうありたいという思い「信頼され愛される」を掲げました。自分の考え方がスッキリし、社員にも堂々と語れるようになりました。最初のしらけムードはだんだんなくなり、会社が変わっていく手ごたえを感じました。
 支部長を引き受けた時、新卒採用にも挑戦しました。先輩方が「会社が絶対に変わる」としつこく誘われ、最初は嫌々でした。「3Kなのでできるはずがない」と思い込んでいたのかもしれません。最初の年は、ブースにさえ誰も来なかったのです。三年後に短大卒の女性社員を採用できました。彼女は今では、わが社を支えてくれるまでに成長しています。
 障害者雇用にも挑戦しました。初めて採用したAくんは本当に明るい子で、皆から愛され、社内が明るくなっていきました。残念ながら1年勤務した後、諸事情で他の会社で働くことになり退社しました。個性を生かす難しさを実感しましたが、人として一回り成長できる経験でした。この春、Aくんの後輩をうちで採用することになりました。
 
必ず成果はあがる

 同友会での学びの集大成は「人を生かす経営」、もっと言うなら、「社員をやる気にさせる経営」だと思います。七年前、「GCH(社内総幸福 Gross Company Happiness)を高めよう」を掲げました。社員がどうすればやる気に、幸せになってくれるのかを考えました。
 具体的には、次の3つの柱で経営指針の具体化をはかりました。①「見える化」の推進。業績や試算表、顧客の細かい情報や業界の動向、営業や製造のことなど、どんどん公開しています。社員が会社を自分のものだと思ってもらうには、会社のことを知ることが大事だと思うからです。②「うわべだけではないコミュ二ケーション」。不公平感や不平等感、うらみつらみを払しょくするため、「開発会議」を定期的に開催しています。当初は社長への不満ばかりでしたが、重ねていくうちに「自分の会社を良くしたい」という素直な意見が出てくるようになりました。③「誇りが持てる企業づくり」。利益が出せれば社員にしっかり還元する。うちの会社はこんな良い所がある、ということを少しでも増やそうとしています。例えば、計画的に遠慮なくとれる有給休暇消化制度、社員の家族への誕生日プレゼントなど。小さなことですが、この積み重ねが全社一丸につながるのだと思います。
 会の活性化への取組と自社の改革改善は同時進行です。実践あるのみなのです。
 同友会を信じ、役員というプレッシャーをエネルギーに変え、良い会社をめざして一緒に頑張っていきましょう。