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2017.04.07

消費税増税アンケート 320社から回答 六割弱の企業に影響(2014年6月号)

 広島同友会では、四月一日に消費税が八%の増税となったことへの中小企業への影響について、会員企業を調査しました。中同協の調査に合わせたもので、五月一日~三〇日に実施、三二〇社から回答がありました。

 1 58%の企業に増税の影響

 大きな影響が出ていると答えた企業は8%で、若干の影響(37%)、今後影響が出る(13%)との回答で、影響はない(31%)との企業もありました。主な影響は、駆け込み需要の発生が14%、逆にその反動による売り上げ減が31%、仕入金額の高騰が26%という内容です。個別の回答の中には、「全体的な景気後退による売り上げ不振」、「一~二年後は受注減の可能性がある」などの記述も寄せられました。

 事前対策として、「価格変更の顧客への周知徹底」(30%)、「レジや会計ソフトの入れ替え」(28%)、「顧客対応方針の策定・見直し」(18%)、「在庫品の管理や値付け変更」(15%)などの負担がありました。

2 価格転嫁が出来た企業は63%

 ほぼできたと答えた企業は63%で、部分的にできた22%、全くできていない9%でした。また、増税を契機に不当と思われる行為を受けたことがある企業は7%、23社が回答しました。その内容は、「値引きまたは買いたたき」が12社、「本体価格(税抜価格)での交渉拒否」が10社などでした。

3 半年先の売上予想はややプラスの傾向

 現在と比べ売上が増えると予測したのは31%で減ると予測した企業の23%をやや上回りました。わからないと答えた企業も27%あります。

4 10%への増税について、半数が中止か延期すべき

 二〇一五年に税率10%への引き上げを計画していますが、実施すべきと答えた企業は22%で、中止すべき23%、延期すべき27%の合計は50%となり、否定的な傾向をみせています。

5 10%の税率となる場合の対策

 消費税は本来最終消費者が負担する預かり税ですから、経営上の対策は特に必要ないはずですが、述式の設問にたくさんの回答がありました。もちろん「価格転嫁のみ。対策は必要なし」という意見も寄せられましたが、「紙一重で赤字転落する可能性があるので、さらなる経費削減および徹底した合理化も含め価格も見直していく」という厳しい意見や「地域密着型の経営を強化し顧客との関係性を大切にする」という経営本来のあり方を追求するご意見など、幅広い声が寄せられました。

 また、「税制への意見」として、痛みを伴う増税は反対の声が多いのですが、「増税の本来の趣旨である財政の健全化に努めてほしい」、「行政の無駄、コスト対策を敢行したうえでないとこれ以上の増税はしてはいけないと思う」など、抑制した声もたくさんありました。(文責 国広)