活動レポート
2017.01.24

【同友ひろしま1月号】 年頭のご挨拶

広島県中小企業家同友会 筆頭代表理事  粟屋 充博

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 新年明けましておめでとうございます。昨年は、カープが25年ぶりのセ・リーグ制覇を果たし街中が歓喜に沸いたことや、現職の米大統領として初めてオバマ大統領に訪問頂いたことなど、広島県民・市民にとって心躍り、心温まる、嬉しい出来事があった1年でした。
 一方で、国際情勢に目を向けますと、英国のEU離脱、年末には米国新大統領にドナルド・トランプ氏が当選、更にはFRBが一昨年末に続き政策金利の0.25%利上げを決定、隣国韓国ではパク・クネ大統領の事実上の更迭など、日本経済にも大きな影響を及ぼしかねない出来事があり、先行き不透明感が増す中で新年を迎えることになりました。
 中でも、米国経済の先行きが特に日本に大きな影響を及ぼすのではないかと思いますが、大統領選中のトランプ新大統領の発言(経済政策)を聞く限り、日本経済にとってプラスになる要素は殆どないように思いますし、トランプ新大統領当選後に進んだ「円安」がFRBの政策金利追加利上げによって更に加速するようなことになると、内需依存度が高く円安が好条件になりにくい(経費増につながりやすい)我々中小企業にとって、「利益の確保」という点で益々厳しい状況にならねばよいが・・・と危惧している次第です。
 国内経済は統計データによると、「個人消費」・「民間設備投資」は共にほぼ前年並みに推移しています。一方で「消費者物価」は僅かではありますが対前年比で下落に転じました。景気浮揚と消費者物価対前年比2%アップを目標に、政府と日銀が歩調を合わせ、「アベノミクス」と「異次元の金融緩和」を実施してきましたが、実態は残念ながら未だデフレからの脱却が出来ない状況のようです。
 加えて、「地域の人口減少(特に生産年齢人口の減少)」が、中小企業にとって「肌で感じる大きな課題」となってきました。昨年10月に広島同友会で景況アンケートを実施しましたが、経営課題のトップは「人材不足(人材の確保と育成)」、景況感は「売上はどうにか確保出来ても、利益がついてこない」という結果になりました。一昨年位から、中小企業にとって若者(特に新卒)の採用は極めて厳しい状況となり、計画的に優秀な人材を採用するために、賃金の引き上げや労働環境の整備・改善(就業規則の改定)に取り組む会員企業が増えており、これが「売上は確保出来ても、利益がついてこない」最大の要因となっているようです。
 打開策としてダイバーシティー経営に取り組む企業も増えつつあるようですが、根本にある課題は、「社員が会社の将来性に希望と確信を持ち、意欲(働きがい)を持って働ける会社になっていますか?」という問いに、経営者が如何に答えられるか、ということではないかと思います。経営者の「事業意欲」と「社員に向き合う姿勢」が問われているようにも思えます。
 我社も今後全社一丸となって少しずつでも会社を発展させるべく、①一〇年先を見据えた計画的な採用、②人口減少で縮小する市場で業績を伸ばしていく為の ・新規事業の立ち上げ ・営業力強化のための営業部門(組織)の再編成に取り組んでいます。 ①については、一昨年4名、昨年5名を採用し、今年は4月に3名が入社する予定です。 ②については、各部所(全部所)から若手社員(入社二~一〇年)一~二名に出席してもらい、「自分と会社の10年先を考える会議」を昨年3月に立ちあげ、毎月1回会議を開催して具体的な戦略や方策を考え、計画を立て、行動に移しています。

今年は障害者問題全国交流会が福山で開かれます

 今年も様々な変化と新たな経営課題に対応していかなければならない一年になると思います。時代の変化への対応並びに様々な経営課題を解決・克服する場として、今年も10月6日に全会員を対象とする勉強会「経営フォーラム2017」を700名規模で開催する予定です。更に10月19・20日の2日間、「全国障害者問題交流会」を福山市で開催します。全国各県同友会会員が一堂に会し、「障害者雇用の意義・取り組み」について学びます。
 我々同友会会員企業一社一社が「地域を支える主体者」として、その役割と責任を果たしていけるよう、今年も皆さんと共に全力で経営に取り組んで行きたいと思います。
 今年も引き続きよろしくお願い申し上げます。