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2016.10.27

4.小さな工夫でできる環境対策(広島金具製作所 福山支部)

㈲広島金具製作所   代表取締役  水ノ上 貴史 氏(福山支部)

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コミュニケーションボードの前で説明する水ノ上氏

 7月に行った、地球環境問題アンケート。それぞれの方の、環境への取り組みが見て取れます。
 そんな中、福山支部地球環境委員会は、多くの項目にチェックを入れられた、㈲広島金具製作所さんを訪問しました。社長の水ノ上氏は「ウチはISOもEA(エコアクション)21もとっていないし、大したことはしていないよ」とためらいながらも、工場をご案内くださいました。そこには、小さな会社がお金をたくさんかけなくてもできるアイディアと取り組みがありました。その一部をご紹介します。

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外気を取り入れるためにシャッターにマーク

 

 

 

■環境を自然の力で整える
 
 まず、工場内に入ると、9月末の残暑厳しい折でも、意外に涼しい。「暑くても、地面近くの温度は意外に低いのです。だからこの空気を取り入れ、工場内の高いところにある換気扇で熱い空気を放出しています」。そのため、工場出入口のシャッターには、ビニールテープで、開ける高さをマーキングしてあります。高さは試行錯誤で決められたそうです。
 天井にある天窓は、夏はカバーをかけて直射日光を防ぎ、冬はカバーをはずすことで、熱と明るさを取り込みます。壁・天井の一部に断熱材を入れ、輻射熱を制御しています。
 

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配線・配管は社員全員で検討

■コンプレッサーの設定で節電
 
 コンプレッサーの設定は、一般に上限で設定されることが多いのですが、同社では低めに設定しています。どうしても圧が必要な機械には、ブーストコンプレッサーを使用します。そのために、タンクはやや大きめのものを設置しています。このことで、節電にもなりますし、コンプレッサーの長寿命化にもつながります。
 電気代は、ピーク時にあわせて契約されることが多いので、配電回路を分散させることで、ピーク時電力を下回るように工夫しています。
 
■燃費を下げ、効率運転
 
 燃費を下げるためには、社員の意識づけが必要です。ガソリンスタンドでもらう納品書に、走行距離を書き込み、サインして提出します。そのことで、「社員さん自身が自然にエコ運転に心がけるようになった」と語ります。
 運送ルートも大切です。納品がある場所はマグネットシートが作ってあり、どこに行くのかを共有しています。それで配送担当者は、最も効率の良いルートを取れるようになります。
 
■工程時間を短く
 
 工場内はきちんと整理整頓がされており、機械はもちろん工程順に並んでいます。
 すべての作業に何分かかったかを記入するシートがあります。以前と比較して長く時間がかかっている様であれば、その原因を探ります。
 それぞれの方の能力(どの機械に精通しているか)の一覧を作成することで、どの機械の事は誰に聞けばいいのか、一目瞭然になっていますし、作業効率化の方法の伝授にもつながります。この一覧は能力給の評価原簿にもなっています。
 
■どうすればいいのか、みんなで考える
 
 工場内はLED化を行い、部分的にメタルハライドランプを使用しています。LEDの取り付けやコンプレッサーの配管は、社員の手で行いました。電気配線は業者にお願いしましたが、取り付け方は自分たちで考えました。「自分達で、どうすれば楽になるかな~、と考えての成果です。そんな風土になってきたのがうれしいですね。ISOやEA21を取ることではなく、小さな改善を進めながら、いつでもそれを取れる状態になっていることの方が、大事だと思います」。
 コピーも、部分的に別な色を使う設定ができ、単色の料金と同様になります。
 「色々な事を、関心と問題意識で調べることが大事だと思います。今はずいぶん機器が進歩していますから、その能力をフル活用できるように、自分で調べて、相談してみることが大事だと思います」。

(文責 事務局 橋本)