活動レポート
  • ホーム
  • >活動
  • >【同友ひろしま4月号】1.『 切り拓け 君の未来を』 合同入社式記念講演
2016.04.27

【同友ひろしま4月号】1.『 切り拓け 君の未来を』 合同入社式記念講演

開催日時:
2016/04/01(金)
会場:
メルパルク広島
人数:
社員99名、企業41社、来賓7名
報告者:
(株)デイ・リンク 代表取締役社長 川口 康之 氏
文責者:
事務局 川口

02p1●私の新人時代
新入社員の皆さん、あらためて入社おめでとうございます。皆さんが入社されました各企業の社長様にかわって心より歓迎申し上げます。
この講演依頼を受けて、皆さんと同じ新入社員前後の記憶をたどりました。就職活動ならびに入社1年目は鮮明に覚えているものですね。
時代はちょうど皆さんが生まれる前後あたりです。代表的な事柄としては地下鉄サリン事件が起こった1995年ぐらいの話です。
当時はリクルートから分厚い冊子が届き就職活動が始まっていました。その冊子をめくっていると、ある金融機関の記事がありました。世界で活躍する金融マンがかっこいいなと思いました。
時代は就職氷河期と呼ばれていましたが、体育会系の部活に所属していた関係で、先輩や知人を頼り、どうにか上司面談にこぎつけました。運がありました。入社前研修もあり、意気揚々と輝かしい人生がまっているという気持ちで4月1日を迎えたと覚えております。
今から考えると当たり前なのですが、実際に入社してみると知らない事だらけで、何もできない自分に直面します。分からない事を認めるのが怖くて分かったふりをしたこともありました。入社前の希望は一転、大きな不安が襲ってきます。救いは一つ上の先輩です。よく相談にのってもらいました。「とにかくできる事、目の前の事をしっかりすること」と、よく言われました。そうすれば、自分がいま何を分かっていないか理解できるよと。先輩が神様に見えました。
しかし一年経つと同じ事を自分もしていました。苦労した分、後輩のしんどさや気持ちが分かります。
仕事にも慣れた頃、業界に変化が訪れます。安泰と思われていた金融機関にも厳しい現実の到来です。(山一證券、三洋証券、北海道拓殖銀行、日本長期信用銀行、日本債券信用銀行などつぶれる分けがないと信じて疑わなかった日本の大手金融機関の倒産)同時に襲う中小企業への貸し渋りを目の当たりにし、経営者の厳しさを知りました。

●地場の経営者として
事業継承を念頭に㈱デイ・リンクに入社。後継者として、会社の規模を大きくしたい、収益をもっと上げたい、と考えていました。その為に必要な事は大手を模倣して大きくなることだと思っていました。
業界分析をみても人口が減る中、大手のみ生き残ると結論づけていた斜陽産業の業界です。経営コンサルティングの先生からは「本部機能を充実させなさい」とのお話でした。その通りなのですが当社は現場の判断が何よりも優先されており、お客様が集う魅力的な売場をつくっていました。あげればきりはないのですが、確かな事は大手企業のやり方を模倣するだけではなく、当社には当社の魅力がありました。
当時の社長からは、なぜ経営しているかとの問いに対し、シンプルに「地域の為」との答えが返ってきました。
社長になり何となくわかっていた事も理解が深まりました。
私達の会社は地域に活かされているという現実と、そして多くの競争の中、現に存在している事実を肯定的に受け取ることができるようになりました。だからこそ自信をもって新入社員を迎える決意ができました。
同時に社員にとって本当に幸せな会社か、新卒採用ができる魅力的な会社か、40年・50年、社員の人生に責任のとれる会社か、常に考えるようになりました。02p2

●地元企業で働く誇りを
本日入社された皆さんは、早い時期に自分の会社がこの地域社会でどのような特徴があるのか、強みは何なのか、ぜひ知って頂きたい。必ずあります。
そして会社は社員さんと共に成長します。新入社員の皆さんは企業の成長の源です。目の前の事に、しっかりと手を抜かず徹底的にやりましょう。そしてチャンスを見つけ行動しましょう。
同友会ではフォロー研修、中堅社員研修と会社の垣根を超えた研修をしています。近い将来、会社に誇りを持って働いている皆さんにお会いできる日を楽しみにしています。

(文責 事務局 渡辺)