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2024.01.22

役員研修大学 第4講「経営指針を成文化し実践しよう!」

講師:中同協経営労働副委員長・ワコウクリーンサービス(株) 代表取締役 吉武 恭介 氏

■入社後の会社

我が社は、廃棄物の回収とお掃除をしている会社で、今期で創業50期になります。社員19名パート9名が働いています。売上の7、8割を事業所やレストランから出る生ごみや紙ごみといった一般廃棄物の回収で占めています。さらに不用品回収としてお客様のお宅に伺い、粗大ごみや不燃ごみを片付けるサービスや、ビル清掃管理とハウスクリーニングを展開しています。
入社当初は経営が分からなかったため、軸がなく場当たり的に動いていました。リーダーとして育成し、期待していた社員に裏切られたことをきっかけに、体調を崩して業績も落ちてしまいました。この状態では良くないと思っていた時に、知り合いから同友会に誘われて入会しました。

■自社の課題と強み

廃棄物の収集時間は朝4時半から昼12時の間で、業務時間が合わないため、社員同士の交流が少なく会社に一体感がありませんでした。また私自身、会社の魅力や強みが分からなかったこともあり、経営指針の成文化を行いました。
経営指針の成文化後、最初の4、5年は先輩経営者の方針発表会にお招きいただき、アドバイスをいただくなどして過ごしていました。そんな中、企業変革支援プログラムが発刊されました。
当時、社内の組織化と同じくらい、「仕事に対するやりがいや、意義はどうすれば見つけることができるのか」が課題でした。形のないものを提供するからこそ、仕事を通してどのように自信や誇りに結びつけるのかが課題でした。
そこで、企業変革支援プログラムを開いてみると「自社が社会に果たす役割・使命を明確にしましょう」と記載されていました。早速自社がどこで役に立っているか知るために、「顧客ニーズを掴むための調査(ユーザーアンケート)など」の項目をヒントに、お客様にアンケートを取り始めました。
アンケート結果からキーワードを見つけて分類をすると、アンケート結果はお客様のニーズであり、自社が提供している価値でした。これらを強めることが自社の強みになると感じました。
分類をすると、対応や作業に対して良い評価をいただいており、喜んでいただけることが自社の強みであることが分かりました。そこで強みをさらに強化するため、月次チェックを始めました。
企業変革支援プログラムの最大の特徴は、各項目の評価が0~5の6段階に分けられていることです。5を目指す過程の中で、質・意識・意欲など見えづらいものが向上していくことに気が付きました。
この成果は、経営理念(ビジョン)につながっていると感じました。

■誇りと働きがいを持てる企業になるために

徳島での経営実践塾のサポーターとして、受講生と関わる中で、私自身も「あなたは何のために経営をしていますか?」を自分に問いかけました。整理をすると、「やりがい・満足感を得られるための場作り」が、私が経営する中でのテーマであることに気がつき、社員と共に10年ビジョンを作りました。
企業変革支援プログラムを見返すと「誇りと働きがいを持てる企業」の項目の中に「経理・財務内容の共有」とあり、次の2点に取り組んでみました。1つ目は、会社がどこで儲けているか、将来どこで儲けていくか、事業の現状と方向性の確認そして共有を行いました。
2つ目は、その上で付加価値を高める体制づくりを進めています。企業変革支援プログラムには、付加価値について、P.65に定義付けされています。付加価値は、福利厚生や給与に関わる部分であることを知ってもらうことで、社員にとって自分ごとになっていくことを感じました。数字の共有が、誇りと働きがいにつながる意味を持つことを実感しています。

■まとめ

「何のために経営をするのか」「目指すべき会社像」を明確に持つことが大切です。ビジョンは、企業変革の動機になるとともに、社員と共有することで組織化ができます。企業変革支援プログラムVer.2には、変革に必要な具体的な取り組みが示されているので、是非活用してみてください。

記:事務局 大塚