「初めての経営指針報告会」福山支部青年部会
■報告者:(株)川瀬工具店 油藤 智子 氏
■日時:1月9日(火)
■会場:ローズコム
■参加者数:63名
福山支部青年部1月例会では、油藤智子さんによる経営計画報告会を行った。福山支部青年部会において財務プロジェクトを発足し、決算書やビジョンを会員間で開示し、良い経営者に、経営状況を上向かせるために特定の会員さんに向き合うことを目的に、プロジェクトにおけるゴールを過去の会社の歴史には無かった経営指針を発表することに設定。
そこで手を挙げた油藤さん。約60年続く回転機械の刃物製造会社の3代目として40歳の若さで2023年4月に代表交代。自分ならやれると期待を抱いて代表に就任したのが半年前。社内環境の整備、新規販路の拡大、既存顧客との付き合い方について自分なりの改革を行った。とにかくがむしゃらに走り続けて、どこに向かうのかを模索し、迷子のような状態に。社員さんと対峙する日々の中で、油藤さんは今の会社の業績は本当に悪い。このままでは10年後に会社が存続していないかもしれないと危機感を抱いている中、青年部メンバー川上氏、小川氏らが中心となり、4名~ 5名のチームにて3週間に一度のペースで会社訪問し、メンバーも手探りの状態で、少しづつ歩みを進めた。
まずは自己開示から。このプロジェクトにて初めて会社の数字と向き合っていく油藤さん。そこから会社の現状を把握の後、少しづつ自社の向かうべき未来の形を描いていく。SWOT分析から55期の目標設定、中期経営計画、10年ビジョンなどを策定。決して完璧なものではないが、とにかく新しい経営者としての第一歩を踏み出した報告には違いない。
会場には5名の社員さんも参加。青年部会員の前で会社の未来を語る姿を見つめていた。そのままグループ討論にも参加した社員さんの1名の言葉に「今まで社長は何を考えていたのかわからんかったが、参加して良かった。これからきっと良い方向に会社は向かう」とあった。その社員さんは油藤さんと度々衝突を起こし、どのように扱うべきか悩んでいる方だった。懇親会後、社員さんと一緒に帰る油藤さんの後ろ姿を見送りながら自分事のように嬉しくなったことを覚えている。
人が何を考えているか分からないのは、まず最初に自分の考えを自分から伝えること、自己開示の重要性を感じた。青年部会の目的の一つに人格的な成長と手帳に記載されている。例会から数日後、油藤さんがコーヒーを買って社員さんに配っていること、どこかに出かけた時に社員さん用に焼き鳥を買って帰ったりしたと聞いた。今までそんなことはしてなくて、あいつらマジで言うこと聞かんって憤慨していた姿と比べ、凄く人として成長されたと感じさせてくれる例会でした。
記:つなぐをつくる(同) 原田 祐一郎