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2024.06.24

「その先へ!~関わるからこそ得られるもの~」第18回青年部連絡協議会総会 記念講演 

開催日時:
2024/06/20(木)
会場:
オリエンタルホテル広島
人数:
137名
報告者:
(有)ウメイチ 梅田 益生 氏(中同協青年部連絡会代表、岐阜同友会副代表理事)
文責者:
事務局 井谷

私の県外での初報告は、2018年の広島同友会青年部連絡協議会総会でした。
 ウメイチは父が本体の呉服屋と別に創業した会社で、私は3代目です。創業36年。事業定義は記念日のプロデュース業です。社員数は69名、9割が女性です。13年前からPLUM(プラム)というブランドでドミナント展開を始め、地域に密着した経営をしています。
私は2010年に入社し、会員である父に言われて同友会に入会しました。当時のわが社は15年連続債務超過。本体の呉服屋からの援助で経営が成り立っていました。11人の社員全員が会社のことは他人事で、現状を変えていこうという雰囲気は微塵もありませんでした。社員が自分事と思える会社をつくりたい、が経営のテーマになりました。

■同友会と自社は不離一体

幽霊会員だった私の同友会との関わりは、2014年から2015年にかけて岐阜同友会に青年部をつくる動きと重なり、変化しました。全国の諸先輩方に大変お世話になりました。
ある先輩から、新店舗で小組会開催の打診がありました。私は施錠の都合で居合わせただけなのに、例会発表が決まり、経営指針をつくることになりました。完全に事故です。ここから同友会に巻き込まれていきました。
人生のターニングポイントは、青全交石川のプレ報告会への参加です。報告者は愛知同友会の先輩でした。先輩の報告を聞き、帰りの電車で自社を変えていく決意の長文を先輩にLINEしました。すぐに「青全交の報告者をめざしてほしい」と励ましの返事がありました。これに対して私は「青全交ですか?(笑)」。すると「言っていることとやっていることが違う。経営姿勢を改めるべきだ」とお叱りの長文が返ってきました。うちの社員が会社に対して他人事なのは、楽しい、面倒くさいで行動していた私の責任だと指摘されました。自社では社員に主体性を語りながら、同友会では「誰かがやってくれるでしょう」という意識でした。
社員は私と同じだと思います。社員はいつも目の前のお客様には熱心に接客していました。新規事業、出店、役職への挑戦は極端に嫌がっていました。これは好きな事だけ一生懸命だった私がそういう社風をつくっていたからです。同友会と自社は、まさに不離一体だと腹に落ちました。
 

■ありたい社風をつくる

私は中小企業は仕組みやビジネスモデルよりも、社風が大事だと考えています。
社風は、突き詰めると経営理念に基づく経営者の姿勢だと思います。経営者が姿勢を正し、社員と向き合うことで社風ができると思います。時間がかかるため競合他社は簡単に真似できません。これが差別化だと思います。これまでわが社のすぐれた仕組みや、前例のないビジネスモデルは、すぐに知れわたり簡単に真似されました。今わが社には「あなたに出会ったからプラムに決めるわ」と言っていただける社員が育っています。
2018年は、社風をつくるために経営指針作成の手引きを使い、社員と一緒に半年かけて11の価値観をつくった年です。
その後、私が経営指針を語り採用した社員が全社員の半数を超えたときです。将来有望だった中堅社員が「やっぱり夢があきらめられない」という理由で続けて退職しました。わが社の社風で育った二人は、会社と自分の夢が重ならないと悟ったのだと思います。
先輩に相談しまくり、同友会の本を読み漁るうちに「経営指針成文化と実践の手引き」に出会いました。経営指針に10年ビジョンが明文化できていないことに気がつきました。すぐに会社でグループ討論です。テーマは、10年後どんな働き方をしていたい?、そのとき会社はどうなっていてほしい?でした。
これはやってよかったです。社員の夢が次々出てきました。私の価値観の押し付けはいけないとわかった瞬間でした。会社のビジョンと実現と社員の夢の実現が結びつくようになりました。
 

■経営姿勢の確立

2018年に2028年の組織図をこの場で報告しました。6年経ち組織図の責任者は私より社員の名前が多くなりました。2028年の姿に近づいています。もうビジョンではなく計画できる段階です。
私には同友会で学んでも何も上手く行かない時期がありました。その頃は同友会をつまみ食いしているだけ。そもそも経営姿勢が確立できていませんでした。
青年経営者のうちに労使見解に基づく経営姿勢を確立さることが何より大事だと思います。