県経営労働委員会 危機もチャンスに! 第8期「ひろしま経営指針塾」開講
- 開催日時:
- 2024/07/27(土)
- 会場:
- TKPガーデンシティ広島
- 人数:
- 42名
- 報告者:
- (株)山田製作所 代表取締役会長 山田 茂 氏
第1講「人を生かす経営の実践」
報告者 ㈱山田製作所 代表取締役会長 山田 茂 氏
■「経営者の経営姿勢」に気づく
私は1999年に同友会に入会し、2000年に大阪の「経営指針確立成文化セミナー」に参加しました。
「労使見解」から学ぶべき点は、第一に経営者の経営姿勢の確立です。これこそ、社員との信頼関係を築く出発点になります。
経営者の発した言葉に嘘があってはなりません。口に出したことは絶対にやる、言っていることとやっていることは必ず一致させると決めました。
経営方針は大きく分けて2つあります。売り上げ目標などの外部向けの方針と、社員が元気に挨拶できる会社といった内部向けの方針があります。外部向けの方針は、経営者の努力だけで達成することは難しいです。ですが、内部向けの方針は、経営者が100パーセントの努力を重ねることで必ず出来るようになります。
■経営者の責任
自社の一番初めの経営指針書の行動計画の実践は、読書感想文でした。これまで、ハンマーや溶接トーチしか持ったことのない職人に鉛筆を持つことを説明しました。内容は映画でも新聞のコラムでも、社員の書く感想文に、毎月赤鉛筆で同じ分量のコメントを返し続けました。これは未だに続いています。経営指針の中身は変わっても、やり続けることが重要だと感じています。明確な経営指針を作ることは何よりも大切なことです。労使見解にもあるように、経営者は企業の全機能をフルに発揮させることに全力を出さなければなりません。これは、会社の機械機能を全て発揮させることですが、本質は社員の潜在能力を一緒になって見つけることに全力を出すことを指していると考えます。
■「理解と納得」の経営
2001年に代表取締役に就任した際、宣言したことのうちの1つが、「経理公開」でした。
2003年、基本給をカットしなければ倒産するほど経営が厳しい状況になりました。辞めてしまう社員も出てくるだろうと考えていました。しかし、個人面談で社員が言ってくれたのは、「一緒に頑張ろうや」、「自分の給与は減ってもいいから、必要な社員に配当をしてやってくれ」という言葉たちでした。嘘をつかない経営をしてきて本当に良かったと感じた瞬間でした。経理公開は、会社の状態が良いか厳しいかを知るためのものではありません。来期の予算計画を立てるためです。
■「経営指針書」の実践
リーマンショックを耐えられたのも、経営指針書の実践があったからです。毎月銀行へ経営計画を提出していましたが、この時はあんなにチヤホヤしてくれた銀行から実抜計画を出すこと・新卒採用を辞めるように言われました。この時、経営理念を考える際の、科学性・社会性・人間性に対して、目標を達成させるという点に関しての科学性が足りなかったことに気が付きました。そして、助けてくれたのも銀行でした。経営指針をもとにした外部とのコミュニケーションの大事さに気がつきました。
経営者は、英知を結集し明確な指針をつくることがなによりも大切です。10年先を見据えた経営ができていますか?
(株)山田製作所 会社概要
設立:1969年7月
社員数:18名
事業内容:産業機械に関わる部品製造及び省力化機器設計、製作