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2024.10.24

第21回 広島県商工労働局の皆さんとの懇談会事例報告「中小企業の存在意義を地域に伝える~呉支部の取り組み」

開催日時:
2024/09/09(月)
会場:
TKPガーデンシティ広島
人数:
52名
報告者:
呉支部長 中里 嘉孝 氏(呉精器工業(株) 代表取締役)
文責者:
事務局 木下

■呉で地域一丸の取り組み

呉支部では、2018年より毎年「呉の中小企業を知ろう!高校生と保護者のための企業ガイダンス」を開催しています。第6回目となる今回は、5月18日に開催し、同友会会員、会員外企業、行政機関含めて108の出展、高校生と保護者を合わせて800名の参加がありました。
 

このガイダンスの目的は「地域で若者を育て、地域に若者を残す。(1)呉の中小企業を地域の高校生に知ってもらいたい、(2)保護者の方にも知ってもらいたい、(3)呉で暮らし、呉で働くきっかけにしていきたい」。また、進学で呉市外に出た高校生が、卒業後、就職のために呉に帰ってくるきっかけづくりの場にもしたい、という思いもあります。
また、この行事は呉市が共催、呉市教育委員会・呉商工会議所・呉広域商工会・中国新聞社からの後援を頂く、まさに産官学の地域一丸となった取り組みでもあります。

■地元の会社を知る機会

大事にしていることは、「就職ガイダンス」ではなく、「企業ガイダンス」であることです。採用を目的とした開催ではなく、呉市にどんな企業があるのかを知ってもらうことです。
参加する企業にとってのメリットは、若者、地域に自社を語るプレゼンの場、今後、自社で新卒採用の取り組むことを考える場。生徒さんにとっては、今後の就職活動に役立つ業界研究の場であり、「社会人として働くこと」を考える場になります。
このガイダンスを通じて、「お互いに知り合うこと」でミスマッチを防ぐ上でも大切な場として位置づけています。
なぜこのような取り組みを始めたのかという理由は、呉から外へ若者が流出していくことを少しでも食い止めたいからなのです。

■35年の取り組みの成果

このガイダンスも、かなり地域に認知されるようになり、学校関係者や行政の方からの期待は、ますます高くなっていることを感じています。
ただ、ここまでの行事を開催できているのは、呉支部としてバブル崩壊後1990年頃から求人委員会で始めた「高校の先生方と経営者との懇談会」で、高校の先生方との信頼関係を積み上げてきた35年の取り組みがあったからです。

この懇談会では、景気が良くても悪くても毎年開催し、お互いの共通課題である「若者をどう育て、地域に残していくか」というテーマでずっと討論してきました。
この信頼関係がベースとなり、2001年には工業高校や商業高校からインターンシップの要請があり、会として受け入れてきたこともあります。
 また、中小企業の地域における存在意義を知って頂くために「高校の先生方の企業見学」も合わせて開催し、中小企業のリアルな現場を知って頂くことにも力を入れています。

■若者が呉に希望を見出す取り組みに

呉市商工振興課も全面的にバックアップしてくれますが、2019年に「呉市中小企業・小規模企業振興基本条例」が制定されたことも大きいです。
同友会呉支部の先輩方の様々な努力の積み重ねがあってこその現在だと実感しているところです。
今後も引き続き開催していきますが、もちろん課題もあります。企業側が自社の魅力や存在意義、働き甲斐をどう生徒さんに伝えられるか。保護者の皆さんにどうやったらもっと見学に来て頂けるか。さらに、高校には「授業」の一環に組み込んで頂けるか。
今後も、このガイダンスを毎年ブラッシュアップしながら、若者が地域の中小企業に希望を見出し、地元に残る・帰るきっかけの一つになり、地域に希望を見出だす取り組みにしていきたいと思います。