中①地区会 ほっと一息
「母が残してくれたもの」
(株)ソフト商会 坂本 哲一郎
2022年の1月に母が亡くなりました。
前年に脳梗塞で緊急入院。面会はコロナ禍で制限され、声掛けもろくに出来ない状況でした。
ガーデニングが趣味で、週に何回か通う介護施設でのカラオケが大好きな母でしたが、晩年は自粛ムードで施設への通所もなく、ふさぎ込みがちで元気がなかったように思います。遺品整理の際に気付いたのは荒れ放題の庭と大量の鉢などの園芸道具。
「2、3鉢くらい作ってやろうか」と思いたち、よさそうな鉢や園芸道具だけ残してYouTubeで勉強を始めました。子供の頃から仏壇に供える花は私の係だったので抵抗はありませんでした。
コロナ禍とゆうこともあってヒマでしたしね。
ホームセンターで培養土、肥料、草花等を手に入れ、なんとか2、3鉢作った時気づくんです「花壇もキレイにしちゃろうか」と。これが”おおごと”の始まりでした。
土を掘り上げ土壌改良をしようとすると、雑草、大小の石、植えたままになっていた球根などいろいろなものが邪魔します。もう、えらいこっちゃです。
今年の春、彫り上げた球根からアマリリスが咲いてくれました。鉢花は100鉢をゆうに越え、定期的なメンテナンスが必要になってしまいました。
それでもお世話をしていると、亡き母に励ましの言葉をかけてもらっている気になり元気が出ます。
私は新たな趣味が出来ましたが、死んだあと家族は大変かもしれません。
記:(株)ソフト商会 坂本 哲一郎