活動レポート
  • ホーム
  • >活動
  • >全県ハラスメント勉強会「知らんかった」じゃすまされない それ、ハラスメントです!
2024.11.21

全県ハラスメント勉強会「知らんかった」じゃすまされない それ、ハラスメントです!

開催日時:
2024/10/29(火)
会場:
同友会本部事務所
人数:
110名
報告者:
講師 キャリアフォーカス 代表 棚田 里美 氏(広島中)
文責者:
事務局 長谷部

講師 キャリアフォーカス 代表 棚田 里美 氏(広島中)

■経営指針でハラスメント防止

ハラスメントと一言で言ってもさまざまです。法的責任が発生するもの、会社の規則違反のもの、労務管理上注意が必要なもの、働く人が感じるものなど、どれも会社で起こりうるものです。それを防止するためには「経営指針」が有効です。経営指針で具体的な方向性を共有し、共通言語にする。そして現場に落とし込む。そのためには指針を社員みんなで作り、いつもそばにおき、指針に沿った行動をすることが大切です。

■ハラスメントの基礎知識

ハラスメントとは、他人に対する発言や行動などが本人の意図には関係なく、相手を不快にさせたり、尊厳を傷つけたり、不利益を与えたり、脅威を与えることです。
 よく言われるパワーハラスメントの定義は、①職場において行われる優越的な関係を背景とした言動、②業務上必要かつ相当な範囲を超えている、③雇用する労働者の就業環境が害されることです。パワハラは6つの種類に分けられます。身体的・精神的な攻撃、人間関係からの切り離し、過大・過小な要求、個の侵害です。もっとも多い事例は精神的な攻撃です。「使えないやつだ」「真面目にやってるのか」など普段の言葉遣いに気をつけなければ、精神的な攻撃に当たります。相手の人格を尊重し、配慮する必要があります。

セクシャルハラスメントの定義は、職場において行われる性的な言動に対する労働者の対応(拒否や抵抗、不快な感情など)により、①その労働者が労働条件に不利益を受ける(対価型)、②性的な言動により、労働者の就業環境が害される(環境型)ことです。ボディタッチや下ネタなどがわかりやすい例です。
今と昔では意識が大きく違っています。相手の気持ちを無視した言動には気をつけたいものです

■ハラスメントの境界線を線引きしよう

昔は良かったのに今はハラスメントと言われるのは、社会の変化によるものです。世代間ギャップが生じるのは当たり前。パワハラ問題は仕事の仕方の価値観の対立により起こっています。あなたは教育的指導をしているつもりでパワハラをしていませんか?相手を思って叱るのではなく、自分の思い通りにしようとするのは教育とは言いません。感情的・不平等・非合理的指導はNGです。

価値観の多様化する現代だからこそ、就業規則など社内ルール作りが必要になってきます。コミュニケーションの透明性、業務負荷のバランス、プライベートの尊重、フィードバック方法の工夫、職場の雰囲気に配慮し、ルールを作ります。結論となる境界線と、なぜその線引きにしたのか理由を明確に示すことがポイントです。

■経営者として必要な組織的対策

経営者としてハラスメント防止のためにできるのは、①研修・教育の実施などの周知・啓発、②相談窓口の設置、就業規則規定などの体制の整備、③ハラスメントが発生した場合の迅速な対応などの措置です。ハラスメントには法的責任も伴います。労働契約法上の「安全配慮義務」「職場環境維持義務」になります。
また、経営者自身もパワハラにならない社員指導を心がけ、今日からできるハラスメント防止に向けた行動をしていきましょう。